昆虫食といえば、なんとなく「どこか遠い国の文化」というイメージがあるかもしれません。
ここ日本においては、今でこそ“ゲテモノ・特殊な嗜好品”の類に落ち着いてしまった感のある昆虫ですが、昔を辿れば「日常の食材」として日本の豊かな食文化の一端を担っていた事実があることは確かです。
地方色は強いものの、イナゴやテッポウムシの炙り、蜂の子ご飯などを「季節の風物詩」として“好んで”食べてきた歴史があり、現代でも長野など一部地域では、蚕のさなぎやイナゴの佃煮(甘露煮)をスーパーや道の駅などで普通に入手することが可能なことから、答えとしては「問題ない」と言えるでしょう。
そして、恐らく皆さんが一番気になるであろう安全性の観点からみると、スーパーで簡単に手に入るような鮮魚(生のサーモンやサバなど)にも寄生虫の危険が少なからずあるのと同じように、昆虫も当然、その種類や調理方法によって安全性に大きな差異があります。
結論として、大抵の昆虫は火を通すことで問題なく食べられます。
が、野生昆虫を加熱調理せずそのまま口にしたり、しっかり加熱したとしても種類の分からない昆虫を捕まえて食べることは絶対にお勧めしません。
(アリジゴクやツチハンミョウなど加熱調理しても消えない有害成分を持つ昆虫や、キョウチクトウスズメの幼虫など有毒な植物を食草とする昆虫も存在しているからです。また、普通種・無毒種でも農薬など何かしらの化学薬品を体内に蓄積している可能性があります。後者は外見では区別がつかないため、種類を同定できる無毒の昆虫だとしても採集場所には充分な注意が必要です。)
なお、灯螂舎の昆虫入り焼菓子には、日本国内の屋内施設で生産・加工された安全な食用昆虫のみを使用しております。
“そこらへんにいる昆虫”ではなく「食品として安心して口にすることができる規格の食用昆虫」ですので、市販のお菓子と同じように、心配なくお召し上がりいただけます。
※一部商品には天然採集個体(クロスズメバチ等)を使用したものもありますが、こちらも食品として加工・販売されている商品のみを仕入・利用しております。
成分面での注意点としては、昆虫は甲殻類と非常に近縁の生き物であることから、えび・かにアレルギーをお持ちの方は昆虫にもアレルギー反応が出てしまう可能性が十分にあります。
もしも自己責任の上でお試しになる際は、万が一に備え一人以上の付き添いのもと、必ず少量ずつ様子を見ながらお召し上がりください。
また、昆虫には食物繊維も多く含まれますので、食べ慣れない方が一度に多量を摂取した際は一時的にお腹がゆるくなることもあります。アレルギーの有無に関係なく、昆虫自体を初めて口にするという方も、最初は少しずつお試しいただくことをお勧めいたします。